特定期間での消費税の免税判定
基準期間における課税売上高が1千万円以下の事業者については、原則免税事業者となります。つまり一般的には、2年前の売上が1千万円を超えていなければ消費税を納める義務はありません。
しかしながら、赤字で還付を受けられる場合や、以前「設備投資と消費税」でもご紹介した通り、免税であるところをあえて課税事業者を選択するということも可能です。
今回はその逆で、強制的に免税ではなくなるという見落としがちなパターンについてお知らせします。
2年前の売上が1千万円以下であっても、「特定期間」で超えていれば課税事業者となる、というルールが平成25年から適用されています。
特定期間とは??
個人事業者・・・前年の1/1~6/30
法人・・・前事業年度開始~6ヶ月
たとえば3月決算の会社の2022年3月期であれば、
・2期前の2020年3月期の課税売上高が1千万円以下だったとしても、
・前期の2020年4月から9月(半年)で1千万円を超えていると課税事業者となります。
※新設法人等の場合は上記の期間とは異なります。
この判定は、課税売上高なので、もうけ(所得)が出ているかどうかは関係ありません。もうかってなくても、取引のボリュームが急激に増えた場合などには要注意です。
また、課税売上高での判定の代わりに、給与等の額による判定も認められています。もし、上記の期間で課税売上高が1千万円を超えていたとしても、同じ期間の給与や賞与等の支払が1千万円を超えていなければ免税事業者のままでいることができます。ちなみに、これは「支払」額なので未払のものは含まれないことに注意が必要です。
通常1年のところを半年で判定するということなので、よっぽど急激な業績上昇等がない限り大丈夫なはずですが、見落としがちなポイントですので気を付けてくださいね。
不安な点等あれば、顧問税理士さんに相談されることをお勧めします。
<参考>国税庁ウェブサイト
「特定期間の課税売上高による免税事業者の判定」