所得税の「超過累進課税」とは
日本の「所得税の最高税率」ご存じですか?
2020年9月現在、なんと45%です!
「え、1億稼いだら4500万も持っていかれるん?!」と思うかもしれませんが、そうではありません。
「累進課税」という言葉は聞いたことがあると思います。所得が多くなれば税率も高くなるというしくみです。
「超過」ではなく「単純累進課税」であれば、前記の通り1億円の所得に対して4500万円の税金となります。しかし日本では現在「超過累進課税(税率)」がとられています。
これは、たとえばAさん(所得194万円)と、Bさん(所得320万円)がいた場合、二人ともある所得金額までの税額は同じですが、Bさんは「超えた部分」の税率がAさんより高くなるということです。
国税庁ウェブサイトに次の表がありますので具体的に計算してみましょう。
平成27年以降分<所得税の速算表>
右側の「控除額」がキモです。所得金額に税率を掛け、そこから控除額を差し引くと、ちょうど「超えた部分」だけの税率が高くなる計算になります。
(Aさん)194万円x5%=97,000円
(Bさん)320万円x10%-97,500円=222,500円
Aさんの計算はシンプルですね。問題はBさんです。
Bさんは、「超過」に当たる部分が320万円-195万円=125万円になりますので、分解して計算すると、
①1,950,000円x5%=97,500円
②1,250,000×10%=125,000円
①+②=222,500円となり、上記計算とぴったりです。他の金額でも試してみてください。
もし「単純累進税率」だったとしたら、ちょうど”階段のキワ”にいる人は、年末ドキドキしてしまいますね。「12月残業多いと10%の税率が全部20%になるかも!」と思ったら働く気力も薄れてしまいます。笑
それから、所得控除という仕組みがありますので、年俸=所得ではありません。特にサラリーマンには「給与所得控除」という大きな控除が認められているため、上記の税額計算の前にその計算をする必要があります(下記国税庁リンク参照)。つまり、実質的な税率は5-45%よりも低くなるということです。
<参考>国税庁ウェブサイト
「所得税の税率」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
「給与所得控除」
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1410.htm
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